真珠のアコヤ貝を有効利用。ボトル化第2弾「PEARL STOUT」の製造ストーリー
真珠の生産過程で廃棄されていたアコヤ貝を、アップサイクルしてできたクラフトビール。
「PEARL STOUT」は、真珠養殖に利用される「真珠母貝」の一つであるアコヤ貝のエキスを使用した、世界で初めて(※当社調べ)のビールです。
アコヤ貝の煮汁から抽出したエキスを混ぜており、貝だしのうまみを感じられるビールとなった「PEARL STOUT」の、開発に至った経緯から製造過程について書かせていただきます。
廃棄されていたアコヤ貝の身を有効利用
「PEARL STOUT」の開発に至ったきっかけは、代表の原田が、牡蠣のエキスをビールに加えた「オイスタースタウト」の存在を知り、「牡蠣でできるなら、真珠の生産が盛んな壱岐でアコヤ貝を使ったビールを作れるのでは」との発想からでした。
そこで、壱岐島で昭和27年から真珠を養殖している山本真珠有限会社の代表取締役・山本壽一さんに話を持ちかけてみることに。
山本さんによると、真珠を取り出した後のアコヤ貝は、貝柱もそれ以外の部位も以前は食べられていたが、現在は貝柱のみ食用とされ、それ以外は廃棄されているとのこと。廃棄量は長崎県内で毎年およそ60トンにもなり、山本さんも有効な使い道を探っていたところでした。
貝殻を濾過に使うため地道な洗浄作業
早速「PEARL STOUT」の開発に取り掛かったISLAND BREWERYの醸造スタッフ。まずは貝についた藻や汚れを落とすために高圧洗浄機で制服が汚れまくるくらい洗い、天日干し。乾いたら、殺菌水で殺菌しながら貝にくっついているフジツボ落として、と、かなり根気と力のいる作業でした。
貝を洗って何に使うかと言うと、ロイタータン(濾過釜)で麦汁を濾過する際に、ロイター板の上に敷き詰めて、濾過の補助的役割をするように使うんです。
写真のような感じでロイター板(濾過板)の上に敷き詰めて、麦汁を入れて濾過します。ビール造りにはなかなかない光景。攪拌機に引っかからないかとか、いろいろ心配することはありましたが、無事成功しました。
アコヤ貝を煮出してエキスを抽出
次は身からエキスを抽出する作業。身を30キロほど分けていただき、届いた状態にビックリしました。思っていた以上にドロッとした粘液状のものに覆われてており、海水でしっかり洗い流してから、出汁を取る作業に入りました。真冬だったこともあり、醸造スタッフのゆかちゃんと震えながらの作業でした。。。(ちなみにその粘液は、グリコーゲンを成分とするもので化粧品への再利用の研究も行われているそうです。)
ゆかちゃんがアコヤ貝の身を火にかけてグツグツ、グツグツ、灰汁を取ること約1時間。すると!予想を超えるほどのしっかりした濃い出汁が取れていました。2人して「出汁感ありすぎ?」とやや不安になったのを覚えています。
味は蛤とアサリの中間くらいの出汁感。麦汁との配合の割合を二人でいろいろ試しながら決めていくことに。誰も造ったことがないビールなのでトライ&エラーでやってみるしかありませんでした。
そうやってアコヤ貝の身から取った愛情いっぱいの出汁。日を追うごとにビールとして味が馴染んできて、最終的に、貝の旨みとほのかな甘みを感じられる、個性的で深みのある味わいに仕上がりました!
- 商品名:PEARL STOUT(パールスタウト)
- アルコール度数:5.0%
- 価格:800円(税込)
- 内容量:330ml
- 販売開始日:3月15日 午前9時
- 販売予定数:400本
長崎県壱岐島のISLAND BREWERY醸造所に併設するのタップルームで味わっていただける他、公式オンラインショップ、取引酒販店にて販売しておりますので、どうぞよろしくお願いいたします!